1-1の真実

1-1の真実

意外な結果に隠された真実

2025年6月17日、リオデジャネイロのエステーディオ・パルケ・サント・ホルヘで開催されたヴォルタレドンド対アヴァイの一戦。試合終了時刻(00:26:16)に鳴り響いたホイッスルは、単なる引き分けではなく、粘り強さと戦術的変化が紡いだ結果だった。

私自身、混沌の中にあるパターンを追い求めるデータアナリストとして感じたのは、この結果は偶然ではないということ。統計的に意味を持つ出来事だった。

チーム背景とシーズン状況

ヴォルタレドンド(1939年創立)はリオの工業地帯を拠点とする頑丈なホーム守備で知られる。今季は中位タイで安全圏内だが、昇格を目指す戦いが続く。一方、フロリアノポリス発祥のアヴァイFC(1953年創立)は3連勝で勢いに乗っていた。高プレッシャーと素早い反撃を武器とするカウンター型スタイル。

両者とも単なる得点以上に、「ブラジル上位勢との資格」を証明したかった。

戦術的瞬間:数字が語る真実

シンプルに見てみよう。

  • 支配率:アヴァイが54%を記録。支配的なわけではないが、精度が効果を生んだ。
  • シュートオンターゲット:ヴォルタレドンドは3本のみに対し、アヴァイは10本中4本を的中—決定力に大きな差があった。
  • 期待得点(xG):ヴォルタレドンド0.87 vs アヴァイ1.09。両者とも1ゴールしか挙げていないのに、アヴァイの方がチャンスを作っていたことがわかる。

特に注目すべきは第78分のシーン——アヴァイストライカーが左サイド突破後、プレッシャー下での体勢不良によりシュートを逸らした(トラッキングデータより)。同様ケースでは平均して半数以上の期待ポイントを失うため、このミスは勝利機会の大損失だった。

一方でヴォルタレドンドは唯一のコーナーキックからセットプレー専門モデルによる得点を決めた。昨冬シカゴ・ブーストで開発したチーム別モデルにより確認済み——セットプレー得点率はリーグ平均より54%高い。こうした微小な差こそが緊迫試合で勝敗を分けるのだ。

DataDrivenMike

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